道の駅

ラストの3日間

いよいよ今シーズン最後の営業となった先週末。
3日間雨で最終日は台風直撃!の予報だったけど、なんとかもってくれた。

初日の店番はオット。
お天気は曇り。台風が近づいているせいか、風が強くてすごく寒かった。
オットは厚着をしていったけど、寒い寒いとぶるぶるだった。

3連休の初日なので、まずまずだろうと期待し、それなりに仕込みをしていた。
道の駅は朝からたくさんのお客さんで賑わっていたらしいが、アイリス屋はイマイチとのこと。
が、近くで開催された「巨峰の王国まつり」の影響もあって、お昼前からぐんぐん客足が伸び、在庫が少なくなったらしい。
雑草と格闘していたえみぃ、オットからの追加要請を受け、アイリスを追加することになった。

追加のアイリスを持って道の駅に行くと、オットが囲まれようとしていた。
対応に追われるオットを、えみぃもサポートして、たくさん買ってもらえた。
その中の1人のお客さんが、

若いのに(花を売ってるなんて)めずらしいわねぇ」

と言いながら去って行った。ありがとーございますーーー。
気をよくしたえみぃは再び畑で草むしり。
オットは寒い中1人で頑張り、初日としてはまずまずの売り上げを記録した。

2日目の店番はえみぃ。
オットに「寒いからあったかくして行けよ」と言われたんで、厚着をしていったけど、朝からお天気で風がなく、良い日だった。

連休の中日なので、あまり期待はしていなかった。
前日と同じく混雑していたけど、みんな巨峰を買いに来るお客さんだ。
道の駅ではこの季節、巨峰販売コーナーを設けている。
地元で採れた質の良い巨峰を、けっこうリーズナブルなお値段で売っているため、早朝から、でっかい巨峰の箱を持った人が行ったり来たりしている。
16、17日と、近くの公園で巨峰まつりがあるため、遠方からのお客さんが多いみたいなんだけど、道の駅のスタッフはみんな忙しく働いているため、ぼけーっとしているえみぃに道を訪ねる人が多い。

「湯楽里館はどこですか?」
「ヴィラテストはどこですか?」
「草津に行きたいのですが、どれぐらい時間かかります?」
「ここから小諸ICの間にガソリンスタンドはありますか?」
「道の駅スタンプラリーの台帳はどこにありますか?」
「雷電の生家はどこですか?」

とにかく、いろんなことを聞かれる。
半年間鍛えられたんで、この程度の質問ならすぐ答えてしまうえみぃ。
だけど困っちゃうのが

「おいしいお蕎麦屋さんはどこですか?」

という質問。実はえみぃとオットはお蕎麦屋さんに2人で行ったことがない。
キライな訳じゃないんだけど、なぜか行かないのよね。
来年までに、近くのお蕎麦屋さんを食べ歩こうと思った。

ちょっと話がダッフンしたけど、午前中はそんなこんなで対応に追われていて、アイリスは売れなかった。
今日はゆるゆるやりましょうと思っていたら、突然囲まれた!

老夫婦に中年夫婦におばちゃんの団体さん。あっちからもこっちからも手が伸びて、次々に対応。あっと言う間にカゴの中がさみしくなった。
オットに追加要請をして、在庫を整理した。

オットが追加分を持って来た後、また客足が途絶えた。1時間程ぼーっとしていたら、また囲まれた。
中年夫婦2組だ。目で品定めしながら「あれとあれが欲しいわね」と言ってる1組に対し、もう1組はどんどん苗を掴んでいく。
そこで「ベバリーシルズ」をめぐって、バトルが勃発。
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最後の1個を掴んだところで、目で品定めをしていたほうのご主人が「それは家が欲しいって言ってたんだぞ!怒り」と怒りだしてしまった。
どうしたら良いかわからずおろおろしていると、

「それを売ってもらえないなら、いらね」

と言い残して立ち去ってしまった。ごめんなさいーと心の中で謝りながら、もう一方のお客さんの対応。たくさん買ってもらえた。

それからも、1時間おきにビッグウェーブが来て、徐々に売り上げが伸び、最終的には初日の売り上げを越えた。

最終日の店番はオット。
朝から雨降りだし巨峰まつりも昨日で終わっちゃったんで、まぁ売れないでしょうと、昨日の売り上げ分程度の仕込みで開始。
雨なのでアイリスの補充はできないし、ちょっとデザイン仕事をやらなきゃいけなかったんで、えみぃは自宅に戻ってお仕事。
5時までに行けばいいからーとのんびり仕事をしていたら、3時半にオットから電話。

オット「完売しました」
えみぃ「えぇぇぇぇーーー」

なんでも、中日と同じペースで売れていて、3時半にえみぃのおなじみのお客さんが来て、残りを全部買って行ったらしい。
思いっきり油断してゆるゆるしていたので、大慌てで仕度をして、道の駅にむかった。途中で道の駅のみなさんへのお礼のお菓子を買ったりしたので、結局着いたのは4時30分ごろだった。
オットは店じまいをして、荷物をまとめて待っていた。


2人で事務室に行き、駅長さんと事務の女性2人にあいさつをした。

オット「今日でおしまいにします。いろいろとありがとうございました。
    また来年もお願いします。」
駅長さん「こちらこそありがとうございます。またいつでも来てください。」
事務の女性「さみしくなるわねぇ」

なんてやりとりをして、事務室を後にした。
それから、荷物を車に積んで、お仕事中のスタッフの人たちにお礼を言ってまわった。
ほんとーにありがとうございました!

5月半ばから約4ヶ月間、毎週末一度も休みなく通っていたので、正直ちょっと疲れも溜まってきていて「やっと終わった」という気持ちと「終わっちゃった」という気持ちが入り混じって不思議な気持ち。
でも、最終日を完売でかざれたし、売り上げも予想以上だったし、お客さんも喜んでくれたし、充実感のある終わりだった。
来年もがんばるぞ!

最後に、記念に駅長さんと撮った写真をアップ。
経営のプロ&接客のスペシャリストなのに、とってもチャーミングなところもある、素敵な駅長さんなのだ。今日はモザイクもぼかしもなしでアップしちゃう!
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道の駅「雷電くるみの里」の詳細はこちらから

道の駅に来る人々の法則

飲んだくれネタが続いてしまったので、今日はちと違う話をば。

5月中旬から、毎週末道の駅の入り口に座って、人々を観察してきたえみぃ。
朝8時から夕方5時までの9時間、お客さんがいなくても、ずーっと座っていなければならない。
始めのうちは座っているのがつらくて、考えることといえば「早く終わらないかな~」だったけど、最近は人々ウォッチングを楽しめる余裕が出てきた。
あの人は何をしに来たのか、アイリスを買ってくれるのか、と考えながら観察しているうちに、いくつかの法則があることに気づいた。
(仙人のおじちゃんに教えてもらったことも多いけど)
今日は道の駅に来る人々の法則(?)を紹介しようと思う。

◆お財布を持って小走りで来る人は、野菜を買っていく
えみぃがお世話になっている道の駅は、地元の農家の人たちが新鮮野菜を毎日出荷しているのが売りだ。
朝収穫してお店にならべ、夕方まで残ったものは処分してしまうコダワリよう。
だから、おいしくないわけがない!
そして、午前中には売り切れてしまうほど人気。
なので、野菜を買いにくるお客さんは、車から降りるときには財布を手に持ち、一目散で野菜コーナーに行くのだ。運転席にご主人が乗ったまま、助手席の奥さんが飛び出してくるケースが多い。
そして、買い物が終わるとまた一目散に車へ。
アイリス屋はまったく眼にはいっていないようだ。

◆荷物を両手いっぱいに持っている人に声をかけると、買ってくれる場合が多い
これは仙人のおじちゃんに教えてもらったことだけど、一見、既に手一杯でそれ以上荷物を持ちたくないだろーと見えるけど、荷物を降ろして買い物してくれる。
両手いっぱいの荷物を降ろして、わざわざアイリスも買ってくれる。
こちらのほうが申し訳なくなっちゃうぐらいだ。
そして、こういう人にリピーターが多い。

◆「ジャーマンアイリス」と口に出した人(口を動かした人)は絶対買わない
机にかけているテーブルクロス、白地に紺色の字で大きく「ジャーマンアイリス」と書いているため、遠くからもはっきり読めるらしい。
そのため、「ジャーマンアイリス」と口ずさむ人が多い。
そしておもしろいことに、「ジャーマンアイリス」と読んだ人は、ぜーーーーったいに買わないのだ。
「あ、アイリスだ」とか「ジャーマンアイリスだ!」というように、声を出す人は買ってくれることが多いのだけど。
ほんとこれ、絶対そうなのよ。見てるとおもしろい。

◆カタカナに弱い人が案外多い
遠くから「ジャーマンアイス」と叫んで近寄ってくる人が居る。そして近くまできて「なんだー、アイスじゃなかったー」とがっかりした様子を見せるのだ(老若男女問わず)。
最初は「アイリスじゃ!ぼけっ怒り」なんて大人気ない感情を持ったえみぃだけど、最近は「アイスは中でどうぞ~」とにっこり答える。
シャーマンアイリスって言った人も居たなぁ。
案外カタカナって、読みずらいのかな。

◆後ろで手を組んで近づいてくるお父さんは、話しかけても返事をしない
こういうお父さん、結構多い。
奥さんが中で買い物してて、することがなくてあちこち見てまわっているんだけど、どの店で声をかけられても、完全無視。
後ろに手を組むのは「話しかけないでください」というサインなんじゃないかって思うほど、頑な。
最初のうちはわからなくて、一生懸命声をかけて、無視されて落ち込んだりもしたけど、最近はこちらも完全無視。

などなど。
どう?何へぇもらえたかしら。

週末あそこに座っているだけで、ものすごい洞察力がつきそう(ついた?)で、ますます商売上手になっちゃうえみぃなのだ。

そんな楽しかったアイリス屋だけど、来週末でおしまい。。。
いやー、半年よくがんばったわ!やっと休める~と思う反面、さみしさもあったりして。来週末は泣いちゃうかも。

「アイリス屋」始めました

ジャーマンアイリスは、栽培を続けると、ねずみ算式に株が増える。花後に植え替えをすると、栽培年数が長いものはものすごく株が余る。余った株をハナノ*ドウヤで販売しているのだが、それでも余る。

そこで、去年から畑の近くにある道の駅で「アイリス屋」を始めた。
去年は6月末から8月まで、毎週末営業した。今年は28日(日曜日)から始めて、9月ぐらいまでの毎週末やる予定。
お店はこんな感じ。

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建物の入り口脇の通路に会議用の机を置いて、「ジャーマンアイリス」と刺繍したテーブルクロスをかけたものが店舗。このテーブルクロスは、フェルトを文字の形に切って、縫いつけて作った(意外とずくがあるよね)。

ドーナツ屋の店員とか、スキー場のレストランでアルバイトとか、ちょっと客商売みたいなことはしたことあったけど、自分で作ったものを売るっていう経験はなかった。
去年お店を始めたときは「いらっしゃいませ」ってなかなか声が出なかった。アイリスのことを説明するのも(自分家の子を褒める親みたいで)こっぱずかしくて、なかなかできなかった。

お店を始める前は、「アイリス好きならたぶん飛びつから、初日で100セットぐらい売れちゃうかもね」なーんて皮算用をしていたえみぃとオットだったが、予想に反してぜんぜん売れなかった。

お客さんの反応は、「高い」「増えすぎて困るからいらない」「うちにもある」「ジャーマンアイス?おいしい?」って感じ。

そんな様子を見かねて、助け舟を出してくれた人がいた。
となりで山野草を売っていたおっちゃんだ。長い白髪を後ろでたばねて、白い口ひげ&長いあごひげの、ぱっと見「仙人」みたいな人だ。お店を始めるときにあいさつはしたけど、なんかとっつきにくい感じだったので、それまで話したことはなかった。

おっちゃんはおもむろにえみぃ達の店にやってきて
「(机を出した)場所が悪い」
「机の並べ方も悪い」
「こんな並べ方じゃ売れん」
「声出さなきゃだめだ」
だの、ボロクソに言った。えみぃもオットもあっけにとられてしまったが、おっしゃっていることは一理ありますね~ってことで、翌日からおっちゃんに言われたとおりの店構えにした。

それから、おっちゃんのえみぃ達に対する教育が始まった。

朝8時から夕方5時までの営業時間中、ああでもない、こうでもないと講釈を受けた。そして、

「手に袋をいっぱい持っている人といない人、買ってくれる人はどっちだ?」

っていうような、まとめのテストまで出してくださる。正直、最初は「うざっ」と思ったりしたけど、おっちゃんの言うとおりにしたら、売れるようになった。それに、おっちゃんのおちゃめな性格もジョジョにわかったりして、毎週末逢うが楽しみになってたりした。
およそ8ヶ月ぶりの再会!を期待してたんだけど、日曜日は残念ながらおっちゃんのお店がお休みで逢えなかった。残念。来週は会えるかな。

おっちゃんに鍛えられて、今では立派な(?)アイリス屋になったえみぃとオット。午前中雨が降ってイマイチだったけど、午後挽回して、初日としてはまずまずの売り上げとなった。

これから毎週末居るんで、お暇なら来てよね。


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